●「永遠の法」レビュー(後編)


宗教団体「幸福の科学」の映画「永遠の法」を見てきましたよ。
これは幸福の科学の総裁である大川隆法さんの同名書籍を元にした映画です。
その凄まじいストーリーをおおざっぱに紹介したいと思います。

***

無事に天国のステージを上り詰めていく主人公&ヒロインですが、一方、七次元菩薩界に入れなかったロベルトとパトリックは「なんであいつらだけ……」と不平たらたらです。
すると、彼らの足下に穴が開き、地獄へまっ逆さまに落ちてしまいました。
天国では嫉妬とか恨みとかの念を抱いた瞬間に地獄行きなのです。すげえ厳しい。

二人を助けに、ゴッド・イーグルと共に地獄へ下りる主人公&ヒロイン。
そこでは、(明らかにニーチェをモデルにした)ニーチェスという悪人が、執拗に「神は死んだ!」「神は死んだ!」と連呼し、ロベルト&パトリックを洗脳していました。
どうも、幸福の科学的には、神や魂、死後の世界の存在を否定する者基本的に悪魔のようです。
劇中にも「悪い人」の例として、「神を信じる自由もあるけど、信じない自由もあるんです」と言ってる人が挙げられてました。
一般的に見て、すごく普通の意見なんですけどね。

そして、ニーチェスが思想で地獄界の勢力拡大を図ろうとする一方、(今度は明らかにヒトラーをモデルにした)ヒスラーは武力で勢力拡大を図っていました。(いくらなんでも、ニーチェをヒトラーと同列に並べるのは可哀想だと思うんだけど……)

主人公はニーチェに言い放ちます。

「あんたグダグダ言ってるけど、地獄の仲間を増やしたいだけなんだろ? 神を否定して、結局あんた地獄に落ちてるんだもんな」

ニーチェの超人思想は「ウダウダ言ってもお前は実際に地獄だからダメだ」という理由で否定されました。
ニーチェもニーチェなりに信念を持って自分の思想を組み立てたのに、問答無用で地獄に落とされ、「そんなバカな! でも、地獄でもオレは頑張るよ!」とめげずに思想を広めていたら、「うるせー、お前は実際に地獄に落ちたんだから、お前の考えは間違ってるんだよ!」と言われたわけです。
それは、あまりにもニーチェが可哀想な気が……

ニーチェが論破されてしまったので、武装蜂起するヒトラー。
SSとかも一緒に地獄に落ちているので、彼らを使うのかと思いきや……



霊界怪獣ビヒモス登場!!!!
これ以降、SSは出てきません。
そりゃそうだよなあ、こんな怪獣出てきたらSSなんかいらねえよ。

霊界怪獣の出現に驚く主人公。
しかし、主人公側も負けてはいません。



霊界ロボット、エンゼルX-1登場!!!!


         ,. -‐'''''""¨¨¨ヽ
         (.___,,,... -ァァフ|          あ…ありのまま 今 起こった事を話すぜ!
          |i i|    }! }} //|
         |l、{   j} /,,ィ//|       『おれは宗教アニメを見ていたと
        i|:!ヾ、_ノ/ u {:}//ヘ        思ったらいつのまにかロボットアニメになってた』
        |リ u' }  ,ノ _,!V,ハ |
       /´fト、_{ル{,ィ'eラ , タ人        な… 何を言ってるのか わからねーと思うが
     /'   ヾ|宀| {´,)⌒`/ |<ヽトiゝ        おれも何をされたのかわからなかった
    ,゙  / )ヽ iLレ  u' | | ヾlトハ〉
     |/_/  ハ !ニ⊇ '/:}  V:::::ヽ        頭がどうにかなりそうだった…
    // 二二二7'T'' /u' __ /:::::::/`ヽ
   /'´r -―一ァ‐゙T´ '"´ /::::/-‐  \    テコ入れだとか夜明けの炎刃王だとか
   / //   广¨´  /'   /:::::/´ ̄`ヽ ⌒ヽ    そんなチャチなもんじゃあ 断じてねえ
  ノ ' /  ノ:::::`ー-、___/::::://       ヽ  }
_/`丶 /:::::::::::::::::::::::::: ̄`ー-{:::...       イ  もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ…


ちなみに、エンゼルX-1はエジソンが作ったらしいです。

良く分からないうちにビヒモスはエンゼルX-1に倒され、主人公たちは無事に地獄を脱出。
そして、主人公&ヒロインは霊界エレベーターに乗り、天国のステージをグングン上っていきます。
「ア〜ア〜、憧れの九次元世界〜♪」というすごい挿入歌をバックに、眩いばかりにキラキラ輝く九次元世界へと到達。
そこで、最高神であるエル・カンターレと出会います。
エル・カンターレはヘルメス神であり、トス神でもあり、イエス・キリストでもあり、ラ・ムーでもあり、釈迦でもあることを伝えられ(でもマホメットは含まれません)、主人公はアトランティス時代の自分を思い出し、自分が現代のトス神であると悟って、おうちに帰ります。

いやあ、すごい話ですね。


【「永遠の法」ストーリーまとめ】

主人公はニューヨークでシャーマンに呼び止められ、エジソンの霊と交信し、霊界通信機を作成。
霊界とアクセスした主人公たちは、ゴッド・イーグルの導きで霊界へと飛び、三途の川や、照魔シアターを見たあと、五次元善人界巨大カボチャを作りながら牧歌的に過ごす人々や、六次元光明界研究とか芸術とかしてる人を見る。
さらに、七次元菩薩界松下幸之助や本田宗一郎、ヘレンケラー、ナイチンゲールなどに会い、続く八次元如来界にてエジソンと面談。
その後、地獄に下ってーチェを論破し、霊界怪獣ビヒモスを操るヒットラー霊界ロボットエンゼルX-1で撃退
霊界エレベーターに乗り、九次元世界最高神エル・カンターレと会い、「お前は現代のトス神だ」と告げられた後、おうちに帰る。

【総評】

偉人、有名人がわんさか出てきて、とにかくキラキラしてる映画です。
霊界怪獣ビヒモスとエンゼルX-1の戦いなどやたらカッコ良く、映像は作画・アニメーション共に一流で、ジブリと同じくらいすごいです。
その力を1/100くらいGUN道に分けてあげて欲しい。

ストーリーは荒唐無稽でメチャクチャに見えますが、まあ宗教のお話なんで理性では理解できないくらいで当然なんですよね。
理性だけで理解できちゃうと信仰の余地がありませんから。
「何を言ってるのかさっぱり分からんが、とにかくその通りだと思う」
ってのが正しい信仰だと思ってます。
この映画を見てそういう心境になった人は入信すればいいよ。

ただ、神話とかもそうだけど、ある一定以上、理解不明なストーリーは眠くて仕方ないのも事実。
ビヒモスが出てくれば目が覚めるけど、中盤の七次元、八次元あたりはかなり眠いです。


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